【感想】『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム(NWH)』*ネタバレ有*
【あらすじ】(Google検索より引用)
倒した敵の暴露により、世間から悪評を受けるスパイダーマン。自分の正体が知られていない世界に戻りたいと思うようになった彼は、友人のドクター・ストレンジに助けを求める。やがて魔法の力で、彼は違う世界線で2つの人生を同時に歩み始める。
*以下ネタバレを多く含みますので自己責任で閲覧して下さい*
NWHを見た直後は何も口に出来なかった。あんまりにも壮大で、しんどくて、楽しくて、面白い映画だったから。
私はトニーが大好きだから、この映画でもその影を見てまた泣いてしまった。
ハッピーの家にあった“スタークインダストリーズ”の文字。ピーターが市民の目から逃げてきた後で着たTシャツ。アークリアクター 。そしてハッピーが言った「友を亡くした」の言葉。
FFHで嫌というほど分からされたトニーの死を、漸く受け入れられたような気がした。
ピーターはまだ子供なのに。それが私の前作と今作で共通する感想。この作品ではマルチバースで以前のスパイダーマンやヴィランが出てくるけど、MCUの世界線で生きるピーターは一番若い。みんなが「まだ子供」と口癖のように言う程、本当にまだ子供なんだよ。それなのにこんな……あんまりじゃないか。
NWHの予告が出た時、フラッシュがそばに居たからきっと擦り寄ってくるんだろうなと思っていたけど、本当にそう言う子だったなぁ……と笑ってしまった。
でもネッドに「スパイダーマンの本当の親友だから」って言われた時の表情は、切ないなぁ…と思ってしまった。
正直まだ全然言葉が出てこないけど、されぞれが救われたこの映画は「観て良かった」と心から思う。
他の世界線でのヴィラン達はそうだが、アメスパのピーターが救われたのが良かった。
グエンを助けられなかったピーターが、MJを、「ピーターパーカー」の大切な人を今度は助けられた。その事実が何より嬉しかった。
本人も泣いていたけど、私も泣いていた。
ベンおじさんの死、グエンの死、メイおばさんの死。スパイダーマンはいつも何かを失って、それでも前に進む。血だらけでもボロボロでも、必死に立ち上がって前に進む。
でも今作で、本当の意味で前に進めたんじゃないかなって思った。
MCUの世界線にいるピーターは、宇宙に行ったり仲間と戦ったり色んな経験をしたが、やっぱり初代スパイダーマンには敵わないなぁ……と感じた。
「大人になったな」とオクトパスが言ったように、大人として若いピーターに向き合い支え、助けたのが良かった。
復讐心に囚われメイに、ベンおじさんを殺した奴は死んだと伝えたピーターを思うとしんどい。
君にはそうなって欲しくない。その2人の気持ちがメイを亡くしたピーターを助けたのがよかった。
「助けを必要としてる」それはスパイダーマンにも言えた事だったんだよね。
ネッドの「スーパーヴィランになって君を襲わない」とか、名前を呼ばれて3人が振り向くところとか、3人とも頭が良くてオタクっぽいところも見ていて楽しかった。
途中ピーターとMJがおでこをくっつけているシーンで、アメスパのピーターが寂しそうにするのがしんどかった。それを見た初代スパのピーターは「彼女は?」と聞いたけど、あれは前に進んだのか否かの確認だったのかな。
僕のMJだと、グエンを助けられなかったことを聞いたはずだし、まだ傷が癒えてないのか聞きたかったのかな。分かんないけど。
自ら死を選択したオクトパスが救われ、共に戦ったのも良かった。
ピーターがラストでMJに何も伝えずに去ることを決心したのは、自分のせいで額に傷を負わせてしまった事への負い目や責任なんだよね。
それまでカンペに書いて練習しまくっていたのに、傷を見てMJがもし思い出しても自分といることによってまた傷つけてしまうかもと恐れたんだと思う。2人がMITに行くことになって、元気で、楽しそうな姿を見て身を引いたんだよなぁ。
辛いなぁ。
一から自分自身の手で作ったスーツは、初めに使用していたダサいやつじゃなくて、ちゃんとしたスーツになっていた。ヒーターの機能もないし、相棒もいないし、誰の助けもない本当に孤独なピーターになってしまった。
この世界線のピーターは親友に恵まれ、仲間に恵まれ、1人じゃないピーターパーカーだったのに…………。
今まで親友とのやり取り等を丁寧に描いてきたからこそ、このラストが辛い。
苦しい。幸せな思い出も何もかも、ピーターの中にしか残っていないのが辛い。
でも、スパイダーマンのことは忘れていないから“スパイダーマンがアベンジャーズと共に戦った”事は覚えているのかな。
スパイダーマンとアイアンマンが師弟のような関係であったと、スパイダーマンがネッドやMJを救ったと。でも多分、それを覚えたままでいると関連して思い出してしまったりするから、覚えてないのかな。どうなんだろう。
しんどい。
でも、この作品を見て思ったのはスパイダーマンを好きでいて良かったということ。
MCUをずっと追ってきて良かった。こんなにも素晴らしい作品に出会えて良かった。
この映画を見た日を生涯忘れないな思う。
これからもずっとピーターが好きだ。
トニーとピーターは私の一生の推し。